- 2024-10-9
- ネットショップ売上対策
- EC, ネットショップ, 越境EC
越境ECについては当サイトでも2020年頃から何度かご紹介してきました。最初は耳慣れない印象もあったかもしれませんが、ここ数年で「越境EC」という単語もだいぶ定着してきたようです。今回は、2024年現在の越境ECの状況についてご紹介します。
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成長を続ける越境EC
経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」は、日本のECの現状についてまとめられており、越境ECについても触れられています。
それによると、世界のBtoC-EC市場規模とEC化率は拡大・上昇を続けており、今後もこの流れが続くと予想されています。
なかでも越境ECの市場規模は、2021年の7,850億USドルから2030年には7兆9,380億USドルと約10倍もの拡大が予測されています。年平均約26.2%という高い成長率は驚くべきものではないでしょうか。越境ECの認知度上昇やEC事業者の積極姿勢、物流レベルの向上などを背景に、一過性のブームに終わることなく力強い成長が続くと予想されています。
日本・アメリカ・中国の3カ国間での越境ECの状況を見てみると、日本の消費者がアメリカや中国から購入している額に比べて、アメリカや中国の消費者が日本から購入している額が非常に多いことが分かります。海外のサイトで買うのはなんとなく不安という感覚を持っている方が日本では多いですが、中国やアメリカの消費者は越境ECの利用に抵抗感がなく、積極的に利用していることが伺えます。
越境ECの盛り上がりの背景
このような越境ECの盛り上がりの背景にはどのようなものがあるでしょうか。
インバウンドの回復
コロナ禍で一時落ち込んだ訪日外国人数ですが、2024年にはコロナ前と同水準に回復すると見込まれています。訪日客が日本で利用・購入した商品を気にって帰国後にリピートしたいと思った場合、現地では同じものが販売されておらず、越境ECを通じて日本の商品を購入するという事例が増えているようです。このように、インバウンドの回復は日本滞在中の消費だけでなく、帰国後の越境EC利用という形でも大きな影響を与えています。
円安の影響
ここ数年、為替市場は円安の傾向が続いています。直近では円高方向に振れていますが、上記のように長期的に見ると円安の流れになっており、コロナ禍前には1ドル100円台であったのがここ最近は140円台となっています。
これはドル円だけでなく他の通貨でも概ね同様であり、海外の消費者から見ると日本の商品は以前よりも割安に買える状況になっているのも越境ECにおいては好影響と考えられます。
日本製品やコンテンツへの注目
日本製品の品質は海外の消費者からも信頼が高く、食品やベビー用品・化粧品などでは自国の製品よりも日本製のもののほうがより良質と考える人も多いようです。また、日本のアニメやマンガ・ゲームといったコンテンツは海外でも人気が高く、現地では手に入りにくい関連グッズ等を越境ECを通じて購入するファンも少なくありません。
データで見る越境EC
2024年現在の越境ECについて、更に詳しくデータで見ていきましょう。
平均購入単価が上昇
ZenGroup株式会社のデータによると、2023年7月〜2024年6月の平均購入単価は7,360円でした。前半の2023年7月〜12月は6,925円だったのに対し、後半の2024年1月〜6月は7,774円とアップしており、円安による影響も一因と考えられます。もし今後も円安傾向が続くようであれば、越境ECの平均購入単価は上昇の流れが続くかもしれません。
中古品が人気
新品と中古品の割合を見てみると、中古品が74.2%と高くなっています。日本でECというと新品が大半で中古品の取引は例外的であるように感じがちですが、海外ユーザーは中古品への抵抗感が少なく、特に「ユーズドインジャパン」という言葉があるように日本の中古品に安心感があるようです。
出荷国・地域の拡大
出荷国ランキングの1位はアメリカですが、割合としては18.2%と圧倒的といえるような数字にはなっていません。2位以下にもたくさんの国・地域が並び、出荷先は非常に多様であることがわかります。
モバイルからのアクセスが主流
ECサイトへのアクセスはパソコンよりもモバイルが多くなってきたと言われていますが、ZenGroupの越境ECに関してはモバイルからのアクセスが75.4%となっています。特に、インドはモバイルが93%と圧倒的に多いのが特徴的です。いっぽう、アメリカや中国ではパソコンからのアクセスも無視できない程度見られます。越境ECにおいては、モバイル対応が不可欠であるとともに、対象国の傾向によってパソコンへの対応の重要度が変わってくるかもしれません。
越境ECに取り組むうえでの課題
市場規模の拡大が見込まれる越境ECに今後も注力していきたいと考えるECショップは多いですが、課題もあります。
送料の上昇
越境ECでは国内と比べて送料が高くなりがちですが、近年では送料のさらなる上昇傾向が見られます。燃料価格の上昇、人手不足の影響などから物流コストが上昇しており、荷物1個あたりの送料は2016年から比較して約1.9倍にもなっています。
送料は商品を届けるために不可欠なものではありますが、利用者にとっては割高な送料は購入をためらう要因にもなりかねません。物流コストが減少に転じることは当面考えにくく、将来的なことも見据えて慎重に送料の設定を行う必要があります。
支払い方法への対応
支払い方法はStripeが64.2%、PayPalが27.9%となっており、この2者で90%以上を占める状況です。とはいえ、ヨーロッパで広く利用されているWiseや新興市場で人気のd・local、中国で圧倒的なシェアを持つAlipayなども一定程度見られます。特にWiseは成長率が高く人気が高まっており、もしヨーロッパの消費者を主なターゲットとしている場合には無視できない存在かもしれません。
海外で利用される支払い方法のなかには日本ではあまり馴染みのないものも多いですが、越境ECに取り組むうえではできるだけ幅広く対応していく必要がありそうです。
越境ECは本当に伸びているのか?2024年 まとめ
越境ECはコロナ禍を経てますます市場規模を拡大し、盛り上がりを見せています。経済産業省からは2030年には7兆9,000億円規模に至るとの予測も出されており、今後も成長が続くことが見込まれます。背景にはインバウンドの回復やここ数年の円安傾向、日本製品やコンテンツへの信頼・注目といった点が挙げられます。燃料費高騰や人手不足に伴う送料コストの上昇といった課題もありますが、越境ECはぜひこれからも積極的に取り組んで行きたい分野といえます。
将来的な国内需要の縮小や今後の販売展開や方針の見直しなどをする時に、必ずと言っていいほど話題にあがるのは越境ECですね。海外需要を狙うには絶好のチャンスであり今からしっかり進捗させたり着手することで世界にどのように発信できるのかをトライ&エラーする良い機会となることは間違えありません。特に日本は島国で海外へ発信したり何かを売ったりする事が下手な国であることは言うまでもなく、特に商社や大手企業ならいざしらず中小企業が海外との貿易をする場合は言語の壁があり、さらに文化の違いなどの心理的な障壁が高く中々国内需要以外の海外へとなりにくかった現状があります。が、しかし今後そのような流暢なことを言ってられない状況がすぐそこに来ています。現在では越境ECの環境や言語間の壁が相当取り払われていますし、海外発送も一昔前と比べるとかなり簡単になっています。日本で越境ECからASPカートとなるとshopifyが真っ先に想像が付きます。まずはとっかかりとしてshopifyのネットショップ構築から手始めに実施するのも1つの手かもしれません。
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