無料でネットショップを作れるサービスが登場したことにより、誰でも簡単にインターネット販売を始められる時代になりました。個人で作成したハンドメイド品を販売する場として活用したり、会社員の方が副業としてネットショップ運営に取り組む例も増えてきています。
初めてネットショップを出店するには、どんな準備をしておけばよいでしょうか。楽天やアマゾンのようなモールへの出店ではなく、自社サイトの形でのネットショップを始める際の準備について解説します。
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コンセプトを決める
ネットショップを始めるにあたってぜひ考えてほしいのがお店のコンセプトです。「何を」「どうやって」売るのかをはっきりと決めておくことによりさまざまな施策を一貫性を持って行うことができます。また、ライバル店との明確な差別化にもつながります。
例えば、果物を売る場合であっても「産地直送の新鮮な果物をリーズナブルな価格で提供」というコンセプトのお店と「オーガニック栽培の安心で美味しい果物を厳選してお届け」というコンセプトのお店では、価格帯やターゲット層が違ってきます。お店のデザインも、前者であればお得感を前面に出したにぎやかな感じになるでしょうし、後者であればナチュラルで落ち着いた雰囲気になるでしょう。商品説明文やメルマガなどの文章も、お店のコンセプト次第で異なってきます。
カートシステムを決める
カートシステムには、BASEやSTORESのような無料で始められるものと、Makshop・ショップサーブ・カラーミーショップなどのような月額制の有料のものがあります。
無料のカートシステムは手軽に始められるのが魅力ですが、商品が売れるごとに手数料が発生するため、ショップの売上規模が大きくなるとかえって割高になる場合があります。また、システム的に複数人でのショップ管理に向いていない面もあります。
お店が一定規模に成長したところで別のカートに乗り換えるのもひとつの手ですが、せっかく集めたお客様に新店で会員登録をし直してもらわないといけない、それまでに蓄積したレビューが引き継げない等の課題もあります。ある程度の規模を見込んでスタートするのであれば、最初から有料カートという選択も十分考えられます。
デザインを決める
どのカートサービスでも、ネットショップのデザインは予め用意されたテンプレートのなかから選ぶことができます。豊富なテンプレートのなかから選ぶのは楽しいものですが、単に「かっこいいから」「おしゃれだから」で選ぶのではなく、お店のコンセプトに沿うものを選ぶのが大切です。
ファッションなど商品の見た目が大切なジャンルでは、写真の表示サイズが小さすぎないか注意してください。反対に、事務用品など個々の商品のデザイン性よりも品揃えの豊富さ等が重要な場合は、写真はそれほど大きくなくてもよいので一覧性や検索性に優れたテンプレートを選ぶとよいでしょう。
また、中高年をターゲットとしたお店の場合、文字の大きさや配色など、読みやすさという点にも配慮が必要です。
既存のテンプレートを使わず、オリジナルのデザインを使用する場合でも考え方としては同様です。全体的な雰囲気がお店のコンセプトに合うことはもちろん、ユーザーにとっての見やすさ・使いやすさがカギになります。
集客方法を考える
自社サイトでネットショップを始める場合、最大の課題となるのが集客です。
実店舗がある場合は、まずは店舗のお客様にポスターやチラシ・DMハガキなどでお知らせする方法がありますが、ネット単独で始める場合は広告費を投じるか、SEOなどで手間と時間をかけるかの2択(もしくは両方)になります。
広告は、Web広告(リスティング広告やディスプレイ広告・アフィリエイト広告など)とオフライン広告(チラシ・DM・雑誌広告など)に大別されます。一般的に取り組みやすく即効性が高いのはWeb広告ですが、シニア層をターゲットとする場合、オフライン広告が大きな成果につながるケースもあります。世代的に紙の新聞や雑誌を購読し、チラシや広告もチェックしている割合が高いためです。
中長期的には、SNSを運用してフォロワーを集める、ブログやSEOで検索流入を増やすといった取り組みが効果的です。手間はかかりますが、ある程度継続すれば安定した集客手段になり得ます。
新規顧客獲得だけでなく、一度購入してくれたお客様に再購入してもらうための施策も重要です。出店準備の段階ではまずは新規の集客に注力することになりますが、ショップ運営を軌道に乗せていくにはリピーター対策も重要という点は押さえておきましょう。
商品登録用のデータを揃える
ネットショップの出店にあたって、商品データを揃える必要があります。お店で扱う商品をリスト化し、商品名・価格・サイズ・内容量・生産国などの情報を整理してから商品登録作業に進むのがおすすめです。
仕入れ商品の場合、商品情報や写真はメーカーから提供されているものを使用するのが早道です。PDFなどの電子データがあれば最も理想的ですが、ない場合は紙のカタログなどを参照して入力する必要があります。
写真に関しては、画像ファイルがなければ印刷されたものをスキャナで取り込むのもひとつの方法です。もちろん、プロのカメラマンに撮影を依頼すれば高クオリティの写真が得られますし、スマホでも工夫次第でかなりのレベルの商品写真を撮影可能です。
商品スペックなど正確なデータを揃えることはもちろん大切ですが、合わせて考えておきたいのが「商品の魅力をアピールする」という観点です。検索キーワードを商品名や商品説明文のなかに盛り込む、その商品ならではの特徴をターゲット層に刺さるような表現で伝える、使用シーンが思い浮かぶイメージ写真やディテールが伝わるアップの写真など、お店のなかで中心となる商品についてはぜひ力を入れて取り組みましょう。
商品登録とショップの設定
商品登録作業は、管理画面から1件ずつ行う方法が基本ですが、商品数が多い場合はCSV一括登録機能を使うと効率的です。項目の順序や入力ルールはカートシステムによって異なるので、ヘルプなどで確認してください。
また、送料や支払い方法・配送手段・ポイントなど店舗の設定、管理画面を使用するメンバーのアカウントや権限などのシステム設定も行う必要があります。一度設定するとその後はほとんど変更しない内容が多いので、ショップを立ち上げる段階で十分チェックし間違いのないように登録することが大切です。
初めてのネットショップ出店時の準備とは(自社サイト編) まとめ
ネットショップを成功させるためには、しっかりと準備をしておくことが大切です。特に「どんな目的でお店を始めるのか」「誰に対してどんなアプローチで売るのか」「このお店の強みは何か」といった根本的なことを確認しておくことが、カート選びやショップのデザインなどお店づくりにあたって必要なさまざまな判断のベースとなります。
準備のなかには商品データの整理など細々とした作業もありますが、ひとつひとつ丁寧に取り組むことがネットショップの成功につながります。
勿論、商品登録ドットコムでも1からネットショップの立上げ~商品登録代行まで対応する事も可能ですので、これからネットショップを立ち上げ予定だがどのように進めてよいか分からないなどがあればお気軽にお問合せ下さい。