- 2025-7-5
- Amazon アマゾン, LINE, Yahoo!ショッピング, 楽天市場
- EC, お中元, ソーシャルギフト, ネットショップ

夏になると、ネットショップ・ECサイトやデパートなどの店頭にはお中元コーナーが作られます。これまでも毎年お中元商戦対策について見てきたように、今年も2025年現在の最新の傾向と対策をチェックしましょう。
2024年度のお中元対策を振り返る→確認する
2023年度のお中元対策を振り返る→確認する
2022年度のお中元対策を振り返る→確認する
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お中元に関するアンケートデータ
お中元を贈るのは約1/3。贈る相手は親戚やお世話になった方

「ほくでんエネモール」が実施したアンケートによると、「お中元を贈りますか?」という質問に「贈る」と答えた人は全体の35%でした。贈らない人のほうが多数派となっていますが、それでも3分の1が行っていると考えると、お中元はまだまだギフト需要としてある程度の存在感があります。

お中元を贈る相手は、「親戚」が51%、「お世話になった方」が32%となっています。「取引先」は6%・「上司」は4%と、仕事関係でお中元を贈る方はかなり少なくなっているようです。2025年現在のお中元は、大半が私的・個人的な関係性のなかでやり取りされていると考えてよいでしょう。
企業間の贈答を「やめたい」人が多い一方、若手は「残すべき」
株式会社tetoteが行った調査によると、お中元などの企業間の贈答文化を「廃止すべき」「どちらかというと廃止すべきという方が6割以上に登っています。もはや風前の灯火の感がありますが、どちらかといえば残すべき」「残すべき」という方も3割程度いらっしゃいます。

年代別に見ると、50代の8割以上が「廃止すべき」と、企業間の贈答文化に否定的である一方、20代は「残すべき」が過半数となっています。この結果は、意外に思われる方も多いのではないでしょうか。コンプライアンス意識の高まりやコスト削減などで、昨今はすでに贈答を廃止している企業も多いなか、かつて経験している世代はネガティブな側面が印象に残り否定的になっている、実際には経験していない世代はフラットな視点からポジティブなイメージを持っている、ということかもしれません。
ご挨拶や関係性の確認の機会としての良さ

リンベルが行ったアンケートでは、「お中元を贈ってよかったと思うのはどんなとき?」という質問に、「相手に喜んでもらえたとき」「あまり会わない人と連絡がとれる」「人間関係が維持されることが実感できたとき」等の回答がありました。
お中元の良さというのはまさにこのような点にあります。普段改まってお礼を言う機会がない相手や、ライフステージの変化で会う機会が減ってしまった方とのコミュニケーションの貴重な機会として、お中元は大切な役割を果たしています。
注目のソーシャルギフト
お中元を含むネットショップのギフト利用を考えるうえで、忘れてはならないのがソーシャルギフトです。
ソーシャルギフトとは、LINEやSNS・メールを通じて、住所を知らない相手にもギフトを贈れるサービスです。昨今の個人情報意識の高まりなどから、職場の同僚や学校の同級生・PTA関係など、ある程度親しい間柄であってもお互いの住所を知らないケースが増えていますが、ソーシャルギフトではそうした間柄でも手軽にギフトを贈ることができます。
2017年の時点で909億円だったソーシャルギフト市場は、2025年には4,057億円に達すると予想されています。

オンラインギフト総研の調査によると、2023年時点で20代の約1/4、30代の約1/5がソーシャルギフトの利用経験ありとなっています。

大手百貨店のお中元商品ページにも、「ソーシャルギフトで贈る」というボタンが用意されています。
LINEギフトの令和お中元
ソーシャルギフトの代表格であるLINEギフトは、2025年7月現在、「令和お中元」と銘打って、お中元特集を大きく展開しています。

トップページ下部のメニューボタン中央に「令和お中元」という目立つボタンが設置されています。

タップすると、「令和お中元」の特集ページに進みます。若い世代の感性に合う、カジュアルで明るい印象のデザインです。

スクロールすると、「いつも親切なママ友に」「仕事で助けてくれた同僚に」「頑張る後輩への差し入れに」など、従来のイメージに囚われず、こんなとき・こんな相手に贈ってみてはどうですかという提案がされています。紹介されている商品も、数千円の高級フルーツやブランド牛などのほか、1,000円以下のカフェのドリンクチケットなど、従来のお中元にはなかったソーシャルギフトならではのものも幅広くあります。
各モールのお中元特集
楽天はトップに掲載。ふるさと納税のお中元・夏ギフトも

楽天市場は、トップページのメインビジュアルのなかで「夏ギフト・お中元」特集を展開しています。ちなみに、ここ最近は楽天に限らず「お中元」よりも「夏ギフト」のワードが先に来る傾向です。

「ふるさと納税で贈るお中元・夏ギフト」というページもあり、返礼品をお中元ギフトとして贈るという新しい形が提案されています。ふるさと納税の返礼品は高級グルメなども多く、ギフトとの親和性はありそうです。
Amazon・Yahoo!ショッピングはトップへの掲載なし
少し意外な印象ですが、AmazonやYahoo!ショッピングではトップにお中元特集の掲載はありませんでした。アプリの利用率向上などから、サイトトップでの特集展開にかつてほど注力しなくなっている可能性もあるかもしれません。
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonのサジェストワード

お中元の楽天市場サジェストワード:
御中元
お中元 いなげや
お中元 夏ギフト
お中元 ビール
お中元 コーヒーギフト
お中元 キハチ
お中元 感動を創る米久
お中元 お菓子
お中元 ハム
お中元 アイス

お中元のAmazonのサジェストワード:
お中元
お中元 ギフト
お中元 人気 ランキング
お中元 ビール
お中元 お菓子
お中元 人気
お中元 ハム
お中元 アイス
お中元 ジュース
お中元 ゼリー

お中元のYahoo!ショッピングのサジェストワード:
お中元 2025
お中元 ギフト
お中元 ビール
お中元 スイーツ
お中元 2024
お中元 ハム
お中元 お菓子
お中元 2025 スイーツ
お中元 うなぎ
お中元 2025 ビール

各モールのサジェストワードでは、例年同様、「お中元 ビール」のような商品ジャンル名との組み合わせ、「お中元 2025」のような年を入れた形、「お中元 人気」のような人気商品を調べる形が目立ちました。
2025年の夏のお中元サジェストワード(楽天市場・ヤフーショッピング・アマゾンの主要3大モールから抽出)を踏まえて、以下の傾向が読み取れます。
1. 定番品の安定した人気
- ビール、お菓子、ハム、アイスは3モールすべてで必ず入っており、夏のお中元の定番ギフトとしての強い需要が継続していることがわかります。
- アルコール(特にビール)や冷たい食べ物・飲み物系は夏ギフトの王道で、人気の中心として安定。
2. ギフト全般・人気ランキングのキーワードも重視
- ヤフーショッピングで「お中元 ギフト」「お中元 人気 ランキング」「お中元 人気」が入っていることから、
- 消費者は「何を選べば良いか」「人気商品は何か」などの比較・ランキング情報を重視している傾向。
- 初めて贈る人やギフト選びに迷う人向けに、『人気ランキング』や『人気のギフト』訴求がマーケティング上効果的。
3. ブランド・ショップ名の重視(楽天・アマゾン)
- 「いなげや」「キハチ」「感動を創る米久」といったブランド・ショップ名が楽天・アマゾンで出ているのが特徴。
- 特定ブランドや老舗の知名度・信頼性を重視するユーザーが一定層いることが見て取れます。
- ブランド名を入れた検索や絞り込みがされやすい傾向で、ブランドの影響力は変わらず強い。
4. コーヒーギフトの一定の需要
- 楽天・アマゾンに「お中元 コーヒーギフト」が入っていることから、
- 夏の贈答品としてコーヒー関連のセットやギフトも一定のニーズがあると予想。
- ビール以外で飲料系の多様化が少し進んでいる可能性。
5. ヤフーショッピングで見られる「ジュース」「ゼリー」
ヤフーのユーザー層やマーケティング戦略の違いも反映している可能性。
ジュースやゼリーがヤフーショッピングのみのサジェストとして出ている点は、
低アルコールやノンアルコール飲料、涼感を演出するゼリー菓子など、子供や高齢者など幅広い層へ向けたニーズがあることを示唆。
ネットショップのお中元商戦対策 傾向と対策とは 2025年7月版
従来的なお中元はまだまだある程度の需要がある一方、特にビジネスシーンでの贈答は縮小傾向が鮮明です。2025年現在のお中元は、親戚やお世話になった方など私的な関係でのやり取りが中心的です。いっぽうで、LINEギフトを中心としたソーシャルギフトでは、新しい形でのお中元が広まりつつあります。かつてほどかしこまらず、子どもが遊んでもらったお礼や後輩へのねぎらいなど、1,000円前後のものを気軽に贈るような需要が生まれてきています。
