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ネットショップの画像やデザインがパクられた場合の法律的対応まとめ

ネットショップを運営するうえで商品の画像やショップのデザインは売上に直結する重要な要素です。だからこそ、他人に自分の画像やデザインが勝手に使用されてしまった場合にはきちんと対応する必要があります。今回は、ネットショップの画像やデザインが無断で使用された場合に執れる手段についてご紹介します。

任意で削除を求める方法

法的手段は、いずれも費用や法律知識が求められるためハードルが高いです。そのため、まずは任意での削除を求めるのがベターです。法的手段に比べ低いコストで削除を求められます。

サイトやプロバイダへ通報

無断使用の画像が掲載されているサイトへ通報し、サイト側から無断で使用している者に対して削除請求してもらう方法です。

アマゾン楽天市場といったモール上にネットショップを出店しているならば、これらへ無断使用を通報してみましょう。アマゾンや楽天が削除してくれる可能性があります。

ヤフオクやメルカリといったサービスでも同様の手段がとれます。

Googleが提供しているであれば、コンテンツの削除も依頼できます。

Twitterやネット掲示板であれば、運営元のプロバイダへ削除を依頼することもできます。

無断使用者へ警告文を発送する

無断使用者へ警告文を発送し、任意での削除を求める手法です。

もっとも、警告文には画像の削除を求める根拠(ex自身が著作権者である、商標として登録済である)を記載しなければ効果が薄いです。法律的な専門知識が求められる点で、ややハードルが高いかもしれません。また、そもそも無断使用者が誰なのか、連絡先はどこなのか特定が難しいケースもあります。

警告文は、内容証明郵便で送ることが多いですが、メールで送っても問題ありません。いずれの方法をとるにせよ、後々のために証拠となるものを残すよう意識して警告文を作成・発送する必要があります。最近では、インターネット上に警告文のテンプレートも掲載されているようです(もっとも、いくつかテンプレートを拝見しましたが、いずれも説得力・迫力がある警告文とはいいがたく,これを送って削除に応じてくれるとは思えません。)。警告文を発送する際は、くれぐれも誹謗中傷や脅迫・恐喝となるような警告文を送らないように。自分が被害者だとしても、相手の尊厳を踏みにじる行為や犯罪行為が許されるわけではありません。あくまで正当な権利を正当な手段で請求しましょう。

法的手段

無断使用者が任意での削除に応じない場合、法的措置を執らざるを得ません。ここでは、執りうる法的措置をご紹介します。

民事訴訟を提起する

任意での削除に応じないならば、裁判所へ訴訟を提起します。

ネットショップの画像は著作権で守られていますから、無断使用は著作権の侵害に当たります。そのため、訴訟では、画像の使用の差止(著作権法112条)と損害賠償(民法709条)を請求するのが一般的です。なお、著作権侵害の場合、損害額の推定規定(著作権法114条2項等)があるため、わざわざ損害額を計算する必要がありません。

また、著作権侵害の立証を容易にするため、具体的態様の明示義務(著作権法114条の2)、文書提出命令(著作権法114条の3)や鑑定人制度(著作権法114条の4)といった各種制度があります。これらを活用すれば、訴訟を有利に進められるでしょう。

また、ネットショップのロゴなどのデザインを商標登録している場合は、商標権侵害で訴えることが可能です。商標権は特許庁へ申請し登録されなければ権利として認められませんが、登録されれば、政府のお墨付きを得た権利といえますので、ネットショップのオリジナリティを守るうえで強力な武器となります。

商標権侵害に対しては、使用の差止、損害賠償請求に加え、信用回復措置(商標法39条、特許法106条)を執ることができます。

損害額の推定規定や罰則が設けられている点は、著作権と同様です。

紛争解決あっせん制度を利用する

裁判を起こすのは気が重いという場合、紛争解決あっせん制度(著作権法105条~112条)も選択肢として挙がってきます。

紛争解決あっせんでは、あっせん委員という専門家を交えた話し合いにより紛争の解決を目指します。裁判よりもソフトな手続で、専門家の見解も聴けますから、事案によっては有効な解決手段となります。

また、裁判と異なり厳格なルールが敷かれているわけではありませんので、柔軟な解決方法を実現できる可能性もあります。あっせんの場でライセンス契約を締結してロイヤリティをもらう代わりに画像やロゴの使用を許可する、という結末もありえます。

もっとも,紛争解決あっせん制度が有効なのは,相手方がある程度協力的な態度をとる場面に限られます。協力的でない場合,何ら譲歩せず話合いが前に進まない,そもそもあっせんの場に出席しないといった事態もあり得ます。

話合いで解決が図れないのであれば,裁判を起こすしかありません。

刑事告訴する

著作権侵害や商標権侵害のケースでは、警察へ刑事告訴することも可能です。

故意に著作権侵害を犯した者に対しては、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または両者の刑罰が科されます(著作権法119条)。法人の従業員等が著作権侵害を犯した場合、3億円以下の罰金が科されます(著作権法124条1項1号)。このように,著作権侵害に対しては重罰が科されることになります。商標侵害に対しても,同様に厳しい罰則が規定されています(商標法78条)。

ちなみに、著作権侵害は基本的に親告罪なので(著作権法123条1項)、告訴がなければ処罰されることはありません。無断使用した者に刑事処罰を与えたいならば、自ら刑事告訴する必要があります。

ネットショップの画像やデザインがパクられた場合の法律的対応まとめ

今回は、ネットショップの商品画像やロゴなどのデザインが無断で使用された場合にとりうる手段をご紹介しました。

コストを抑えるためまずは任意で削除を求め、それでもダメなら法的措置を執る、というのが王道のパターンです。法的措置の中にも裁判や紛争解決あっせんなどの選択肢があります。ネットショップを運営する上でベストな解決手段を選択しましょう。

※このページの文章は、全文に渡り弁護士によるライティングとなります。
但し、このページの文章は一般的な法律情報の提供となります。情報の正確性や内容全文を保証するものではありません。

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サイト運営者 画像がパクられてる・・・にまつわるお話 おまけ

ここからは弁護士記述ではなく、商品登録ドットコムの記述となります。

 

弊社の経験から、商品画像に軽微な透かしを追加して掲載し、それが大量に盗用されることがありました。特に、転売業者や連絡が難しい相手の場合、問題が発生します。このような場合、以下の方法で対処することがあります。

  1. 連絡を試みる: まず、まず、楽天やヤフーなどのモールでの担当者に連絡し、盗用について確認します。誠実なショップであれば迅速に対応してくれることがあります。
  2. モールやASPカートに通報をする:ASPカートの場合だと比較的相手の店舗への接触を取ってもらい場合がありますが(これもASPカートによるので確実ではない)、各モール系のネットショッピングでは、担当者から相手の店舗への連絡は殆の場合は対応してもらえないのが現状です。但し、1度は必ず担当への連絡は実施するのが良いです。何らかの解決策を持っている場合もあります。
  3. 証拠を確保: 盗用されているURL、スクリーンショット、ウェブアーカイブなどの証拠を集めます。これは後の法的手続きに役立ちます。
  4. 著作権侵害を伝える: 盗用している側に、著作権侵害があることをメールや内容証明郵便で伝え、使用停止を求めます。これにより、法的な事実を残すことができます。
  5. 法的手続き: もしも連絡が取れず、問題が解決しない場合、弁護士に相談し、損害賠償請求などの法的手続きを検討します。前述の証拠が重要です。
  6. 落ち着いて対処: 進行中の問題に過度にエネルギーを費やさず、冷静に対処することが重要です。問題が解決すれば、画像を差し替えたり削除したりすることができます。

法的な問題に発展するかもしれませんが、冷静に、かつ確かな証拠を持って対処することで、盗用を防ぐことができます。

最後に、法的措置と言ってもただで実施できるわけではないので、基本的には下げてもらう方法で落とし込んでいくのが最善です。弊社でも店舗さんで同様の事態が発生した場合でも少し時間はかかっていますが訴訟まで行ったという案件は数件ですので、下げてもらえる前提(勝手な前提ではありますが・・)で交渉を進めると良いと思います。

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