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ASPカートとパッケージECとの違いとは

ネットショップを立ち上げるには実にさまざまな方法があり、最適なものは何か迷ってしまう方も多いかもしれません。自社ECサイトを立ち上げる場合の主要な選択肢としては「ASPカート」と「パッケージEC」の2つがあります。それらの特徴と選ぶ際のポイントについてまとめました。

ECシステムの構築方法の比較

EC・ネットショップに取り組む手段には、楽天市場をはじめとしたECモールに出店するほか、自社のECサイトを構築するという方法もあります。自社EC構築の主な方法としては「ASPカート」と「パッケージEC」の2つが挙げられます。

大まかにいうと、インターネット上に構築されたECプラットフォームを利用するのがASPカート、ECサイトに必要な基本機能が予めまとめられていて必要に応じてカスタマイズするのがパッケージECです。両者の特徴やメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

ASPカートのメリット・デメリット

ASPカートとは、カート事業者が構築したECプラットフォーム(インターネット販売を行うためのシステム)をさまざまな法人・個人が所定の料金を支払って利用するサービスです。

同じプラットフォームを多数の利用者で共有する仕組みなので、利用者あたりの料金負担は少なくなります。その一方、機能は予め用意されているもののみとなり利用者ごとのカスタマイズは基本的にできません。

よく知られているASPカートの例としては下記のものが挙げられます。なお、弊社では各カートの商品登録代行サービスを承っております。

makeshop日本のEC事情に合わせた機能が充実。API連携も可
カラーミーショップリーズナブルな価格設定。デザインテンプレート・決済手段が豊富
Eストアー ショップサーブECサービスの老舗で実績豊富。サポート体制も手厚い
Base月額費用・初期費用無料。初心者でも取り組みやすい
Shopifyカナダ発の世界最大のASPカート。越境ECに強く日本でも人気

ASPカートのメリット

ASPカートのメリットとしては、パッケージECと比べてコストが安い点があげられます。多くの利用者がひとつのECプラットフォームを共有するため、一人当たりの利用コストは比較的低く抑えられます。料金体系は各カートによって異なりますが、月々数千円程度から利用できるケースが多いです。なかには月額無料で利用実績に応じて課金というものもあり、ネットショップに初めて取り組む人にとっても挑戦しやすい水準になっています。

最初から基本的な機能が揃っており、サイトを立ち上げるにあたってシステム仕様の検討・策定などに時間や手間をかけずに済みます。スピーディーにECサイトを構築したい人にとっては大きなメリットです。

また、システムのセキュリティ対策やメンテナンス等はカート事業者側で随時行われるため、利用者側でアップデートを行う必要がないのもメリットといえます。

ASPカートのデメリット

ECサイトを運営していくうちに「もっとこんな機能が欲しい」「この部分をこんなふうに変更したい」といった要望が出てくるのはよくあることです。しかし、ASPカートは個人の希望でカスタマイズできる仕組みにはなっていません。多くの利用者から要望があれば機能追加などが行われる可能性もなくはないですが、基本的には既存のものをそのまま使う形になっています。

また、ショップの運営規模が大きくなってくると、基幹システムとの連携やオムニチャネル展開などを考えるケースもありますが、ASPカートでは予め用意されているもの以外への対応は難しいのが実情です。外部連携が必要な場合は、ECサイト構築の時点でASPカートが連携させたいシステムに対応しているか確認したうえで選ぶ必要があります。

もしASPカートからパッケージECへ乗り換える場合、移行にはそれなりの金銭的コストや作業負担、ショップURL変更などのデメリットが生じます。立ち上げの際は、将来的な成長をどの程度見込むのかという点も視野に入れておく必要があります。

パッケージECのメリット・デメリット

パッケージECは、あらかじめ用意された基本機能に店舗ごとに異なるカスタマイズを加えてECサイトを構築する仕組みになっています。基本的な機能がパッケージとして用意されていることに加えて、それぞれの事情に応じてカスタムできる自由度があることが大きな特徴です。

パッケージECカートのメリット

ASPカートとは異なるパッケージECのメリットは、そのカスタマイズ性にあります。お客様にとってのサイトの見た目や使い勝手に関わるフロント部分、ショップ側の運営効率や作業負担に関わる管理画面部分、あるいは外部システムとの連携性など、さまざまな部分で独自性を打ち出すことが可能です。ECのみならず、プロモーション施策やSNS・実店舗との連動など総合的な観点からショップを作り込むことができます。

どのショップでも必要になるコア機能については共通パッケージとして用意されているため、すべての機能をフルスクラッチで構築するのに比べるとコストは抑えられます。

BtoCのみならずBtoBでも実績豊富なecbingはパッケージECの代表例といえます。顧客カルテや分析機能を含む充実した標準機能に加えて、柔軟なカスタマイズによって幅広いビジネスモデルに適合できる点が魅力です。

パッケージECカートのデメリット

パッケージECの場合、ASPカートと比べるとかかる費用はどうしても高くなります。初期費用として数百万円、追加カスタマイズは数十万円からという費用感になるため、パッケージECが現実的な選択肢となるのは一定程度以上の売上が見込めるサイトに限られるでしょう。ひとつの目安として、パッケージECを利用するのは平均年商が1億円以上の規模と言われています。

自由度が高いぶん、カスタマイズに際してはリスクやイレギュラーケースを含め幅広い視野をもって設計する必要があります。しっかりとした知識や経験をもつベンダーの選定が重要なポイントとなります。また、構築後の保守やバージョンアップについても費用面を含め想定しておく必要があります。

ECシステム構築方法の選択のポイント

ASPカートとパッケージECのどちらを選ぶか考える際、コスト面と独自性・拡張性が大きなポイントとなります。

 ASPカートパッケージEC
コスト面×
独自性・拡張性×

とにかく手軽に始めたいという個人の方やまずは低コストで試してみたいという法人の方はASPカート、EC年商1億円以上の規模を見込み独自性・拡張性のあるECサイトを構築したいと考える方はパッケージECがおすすめです。

そのほかにも、ECシステム構築にかかる時間・構築の難易度・運用中のメンテナンス・将来的に見込まれるサイト規模等、さまざまな観点での検討が必要です。

ASPカートとパッケージECとの違いとは まとめ

自社ECサイトを構築する主な手段にはASPカートとパッケージECの2つがあります。それぞれに異なった特徴があり、ASPカートは手頃なコストでECサイトを構築しやすくメンテナンス等の負担が少ない点、パッケージECはデザインや機能などさまざまな面でのカスタマイズ性が高い点がメリットです。コスト面でも大きな違いがあり、手軽にECを始めたい方にはASPカート、独自性の高いECサイトを構築したい方にはパッケージECが向いています。

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