
楽天市場では現在SKUプロジェクトが進行中です。SKUプロジェクトによって商品の検索がしやすくなり、お客様にとっての利便性向上が期待されます。早い店舗ではすでに2023年4月から移行が始まっており、まだ移行が行われていない店舗についても移行時期が通達済で、今後順次移行が行われます。
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そもそもSKUとは
SKUは英語のStock Keeping Unitの頭文字をとったもので、在庫管理上、品目の最小単位となる単位のことです。例えばパーカーで、色が黒とグレーの2種類、サイズがS・M・Lの3種類あったとします。このパーカーの在庫数を数える場合、黒のSが◯個、黒のMが◯個…というように行います。色とサイズの組み合わせが2×3=6種類あるため、パーカーという1つの商品に6つのSKUが紐づいている形となります。
パーカーなどの衣類だと色やサイズが異なっても価格は同一である場合が多いですが、例えば清涼飲料水の場合、同じ銘柄であっても350mL入り・500mL入り・1.5L入りのように容量の違いによって価格が異なる場合が多いです。この例だと、1つの商品で価格の異なる3つのSKUが紐づいているということになります。
楽天SKUプロジェクト
これまで楽天市場では、パーカーの例のように価格が同じであれば1つの商品ページ上で扱うことができましたが、清涼飲料水の例のように価格が異なる場合は1つの商品ページ上で扱うことができませんでした。
SKUプロジェクトはこの点を改善し、価格の異なるSKUのバリエーションを同一の商品ページ上で表現することが可能になります。

これによって、お客様にとっては商品ページ上で異なるサイズ等を比較検討しやすくなりますし、店舗としてもせっかく商品ページを訪れたお客様を他店舗に流出させることなく別のバリエーションを提案しやすくなります。
このほかにも、これまで色×サイズのように2軸までしか表現できなかったのが3軸以上の設定が可能になる、検索結果画面上に商品の他のバリエーションが表示されることで商品ページへの遷移が促進される、検索結果がより適切なものとなるよう従来のタグIDがジャンルごとの商品属性に移行される等の変化もあります。
楽天SKUプロジェクト 店舗で必要な対応
SKUプロジェクトの移行後は同一商品の価格の異なるバリエーションをひとつの商品ページ上にまとめることが可能になりますが、SKUをまとめずにこれまでどおりの商品ページ単位で運用を続けることも可能です。
ただし、SKUをまとめない場合であっても、下記の作業は必須となります。
必須商品属性の入力(タグIDからの移行)
商品属性を7桁の数字の「タグID」で入力していたのに変わって、より具体的な「実際の値」で入力する形に変更になります。

これまでは、RMSの「タグID」欄で「ID検索」ボタンを押すと別ウィンドウが開き、該当するタグID項目にチェックを入れていく形でした。元の画面のタグID欄には、1011174/1013847/1019478…のような半角数字が設定されます。(詳しくは、過去記事「楽天市場 タグID設定がまだ?売上に結びついてない1つの要因では?」をご覧ください)
タグIDの設定は流入獲得のために重要ですが、半角数字での入力はミスが生じやすく不便なのが難点でした。
SKUプロジェクト移行後は、半角数字ではなく、実際の値で入力するよう変更されます。例えば「原産国/製造国」の欄に「日本」のような形です。
また、ジャンルごとに細かく商品属性が定められ、必須項目・任意項目が設定されます。楽天市場のRMSにそれぞれの商品属性パターンが掲載されているので自店舗の該当商品属性を確認する必要がありますが、実際1つ1つの属性を確認するとあまり斜に構えて敬遠するというよりは、どの程度の物が入っているのかを必ず確認する必要があります。結局楽天の検索対策になる物なので避けては通れませんし、そもそも商品属性(タグID)の対応をしないということは今後選択肢としてはありえない形となってきます。また、選択式と記述式がありますが、商品属性はそれぞれ専門性を帯びた物に変わってきましたので、自店舗で売られている商品の属性であれば選択も容易であると思います。
但し、やはり数が多い場合や選択が多い商品などは1つ1つかなり時間がかかる物なので、外注や外部システムに頼る事を検討された方が良いかと思います。

こちらは「精肉」の例です。「1 シリーズ名」〜「5 総重量」の5項目が必須、「6 オーガニック認証期間・基準」以降は任意となります。
ジャンルごとの商品属性定義書は店舗運営Naviからダウンロードできます。また、商品属性登録に関するガイドラインもぜひ一度ご確認ください。
すでに登録済のタグIDは、一部を除いて自動で商品属性の登録値へ自動変換されます。
SKU画像のガイドラインへの適応
SKUプロジェクトに伴って、ひとつの商品に紐づく各SKUにSKU画像が設定されます。例えば、バニラ・チョコレート・ストロベリーの3種類があるアイスクリームの場合、商品画像には3種類のアイスの集合写真、それぞれの種類(SKU)ごとにバニラ・チョコレート・ストロベリーの写真を設定するといったイメージです。

SKU画像は、商品ページ上で特定のSKUを選択した場合や、検索画面で例えば「アイス チョコレート」のように特定のSKUのみが該当するような絞り込みを行った際に使用されます。
商品属性をSKU画像も商品第一画像と同様に商品画像登録ガイドラインの対象となるため、文字入れや枠線・背景色についての規定を守って作成する必要があります。
また、複数のSKUが紐づいた商品の場合、商品第一画像には最安値の仕様を文字または画像で含める必要があります。350mL入り・500mL入り・1.5L入りの3種類がある清涼飲料水の場合、最安値の350mLの商品画像もしくは「350mL」の文字を必ず商品第一画像に含めないといけません。
CSV一括更新ファイルの変更
これまではCSV一括更新はitem.csv(商品) / select.csv(項目選択肢別在庫) / item-cat.csv(カテゴリー) の3種類のファイルで行っていましたが、SKUプロジェクト移行後は使用するCSVファイル形式が変更になります。
item.csvとselect.csvは廃止となり、代わりにnormal-item.csv(商品・SKU・商品オプションの登録・更新) / item-delete.csv(商品・SKU・商品オプションの削除)を使用する形となります。item-cat.csvはこれまでと変更ありません。
また、これまではデータの追加(n)/更新(u)/削除(d)をコントロールカラムで指定する形でしたが、今後は商品管理番号・SKU管理番号をキーとして追加・更新を行います。normal-item.csvを使用した場合は商品管理番号・SKU管理番号が存在しなければ新規登録、存在する場合は更新、item-delete.csvを使用した場合は商品管理番号・SKU管理番号をキーとして削除という形になります。
また、これまでのitem.csvは1商品につき1行でしたが、normal-item.csvでは商品レベル行・商品オプションレベル行・SKUレベル行に分けて入力する形となります。
他にも入力形式の変更や入力項目の廃止などさまざまな変更点があるため、店舗運営Navi内にある詳しい説明をぜひご確認ください。
SKUまとめ作業
楽天は、これまで複数ページで販売していたSKUを1ページに集約することを推奨しています。集約しないことでのペナルティは現状ありませんが、集約したほうが検索順位等でメリットが生じる可能性は大いに考えられます。可能なかぎりSKUのまとめ作業を行ったほうがよいでしょう。
ただし、まとめてよいSKUの組み合わせには規定があります。例えば、同じジャンルのSKU同士はまとめてOKですが、ビールとチューハイのように異なるジャンルのSKUをまとめるのはNGです。また、新品と中古のように商品状態が異なるもの、正規品と並行輸入品のように販売経路が異なるものをまとめるのもNGです。詳しくは店舗運営Naviに掲載されているSKUのまとめ方に関するガイドラインを参照してください。
SKUをまとめる場合、申請することによって集約前の商品ページに蓄積されていたレビューを集約先の商品ページに移管することができます。お気に入り登録については残念ながら付け替えることはできません。
ランキングについては集約先の順位が適用されるため、よりランキング順位の高いページへ集約するのがおすすめです。集約すること自体は順位に関係なく、例えば実績が合算されることでランキングが上がるということはありません。
楽天SKUプロジェクトとは 基本編 2023年度版 まとめ
現在進行中の楽天SKUプロジェクトによって、これまで別ページで展開していたSKUをひとつの商品ページに集約することが可能になります。これによって利用者の利便性が高まるのとともに、店舗としても自店内でのバリエーションをお客様に見せやすくなります。SKUプロジェクトに伴って、タグIDの移行やSKU画像の設定、CSVファイルの形式変更等の対応が必要になります。また、複数のSKUをひとつの商品ページに集約する場合、どのページに集約するべきか等検討が必要な点があります。きちんとした形で対応するのは手間がかかりますが、ぜひ可能な限り対応することをおすすめします。
現在、商品登録ドットコムでは、楽天SKUプロジェクトに関連したご依頼として、商品属性(タグID・商品属性の設定代行)の再設定及び、今回の楽天SKUプロジェクトを期にタグID(商品属性)を見直したいというご質問とご相談が多数ございます。その中でも、タグID(商品属性)は今後検索に関してもインパクトがあり、逆に、楽天SEO対策の主軸となりうる流れとなってきますので、特に今回の楽天市場における楽天SKUプロジェクトについては、各店舗とも対応が求められる部分となります。また、いままではタグID(商品属性)がは選択肢式で対応しているタグを選ぶ形になりましたが、今後は楽天SKUプロジェクトにおいて記述式も入ってきますので、単に選択すればよかったこれまでのタグIDがとはまた別の認識をもって対応する必要があります。
そんな大変は、商品属性の設定代行 商品登録代行 商品登録外注 のご相談はお気軽にお声がけください。
商品属性の設定代行 ご依頼のヒント おまけ
AI式や機械式での商品属性決めの場合のほとんどが、商品名、商品説明文(PC用商品説明文・PC用販売説明文・スマホ系商品説明文)、選択肢名などに商品属性に関連する文言やワードが入ってないと当然設定ができません(これは自動系でも当然同様です、品番や画像からは判断はできません)。商品属性を依頼する際は、事前に商品ページ内の不足項目を埋めるか、それにヒントとなる別資料を頂くなどをする必要があるありますのでご注意が必要な部分です。
