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ネットショップのお歳暮対策 傾向と対策とは 2023年・2024年版

お歳暮・クリスマスのケーキやチキン・おせち・年賀状など、年末年始が近づくとさまざまな季節アイテムの予約開始を知らせるポスター等が街にあふれます。インターネット上のECの世界も例外ではなく、11月頃にはそういった各種のバナーを見かけるようになります。

お世話になった方に贈るお歳暮は、毎年の恒例としている方も多いもの。ネットショップとしても見逃せないギフト需要の機会といえます。

参考までに2021年・2022年の対策内容はこちら:
今年のネットショップ「お歳暮の傾向と対策と」2021年度版
今年のネットショップ「お歳暮の傾向と対策と」2022年度版

初稿:2023年11月16日
追記:2024年11月16日

ギフト市場の推移

ギフト市場の推移 2023年

引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3186

矢野経済研究所が2022年に行った調査によると、お歳暮を含むギフト市場の規模は2020年にやや落ち込んだものの、その後は順調に回復し、2023年にはほぼコロナ禍前の水準に戻ると予測されています。普段の実感としても、さまざまな面で以前の生活がすっかり戻ってきたと感じている方が多いのではないでしょうか。

ギフト仕様の推移 2024年

引用: https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3464

ギフト市場規模の推移とネットショップの戦略的対応
このデータによると、ギフト市場の規模は2019年以降安定した推移を見せていますが、2020年には市場規模が92.5%と一時的に落ち込んでいることがわかります。この背景には、コロナ禍による消費行動の変化が影響していると考えられます。しかし、それ以降は回復傾向にあり、2023年の市場規模は見込み値として10兆8,190億円に達し、前年比102.7%と増加傾向が続いています。2024年の予測ではさらに成長し、前年比101.7%の約11兆円に達する見込みです。

このような市場規模の成長を背景に、ネットショップにおけるギフト商戦は、年々その重要性を増しています。特に、コロナ禍を経てオンラインショッピングの需要が急増したことにより、ネットを通じたギフト需要の取り込みが競争の鍵となっています。但し、このグラフはあくまで日本全体のギフト市場でありネットショップの小売額ではないことを注意しなければなりません。

お中元・お歳暮の市場規模 2023年

引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3186

ギフトのうち、お中元・お歳暮の市場規模に絞ったのがこちらのグラフです。お歳暮に関しては、2018年以降全体的に減少傾向になっているものの、減少ペースは徐々に鈍化しているようにも見えます。依然として根強いお歳暮需要があることが伺えます。

お中元・お歳暮の市場規模 2024年

引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3464

お歳暮市場の現状とネットショップへの影響
このグラフを見ると、「お中元」と「お歳暮」の市場規模は年々縮小傾向にあることが分かります。特に、2019年以降、お中元市場は緩やかに減少を続けており、2023年の見込みでは8,580億円、2024年の予測ではさらに縮小し8,420億円に達するとされています。一方で、歳暮市場も同様に減少傾向にあり、2024年には6,560億円と予測されています。

この市場の変化は、ライフスタイルの多様化や贈答文化の変化による影響が大きいと考えられます。しかし、縮小する市場においても、ネットショップにおける需要の取り込み次第で十分な収益を上げることが可能です。

お歳暮を贈る理由

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000051606.html

2022年11月にクラウドワークスが行ったアンケート調査によると、今年お歳暮を贈る予定と答えた人は全体の56%でした。贈る理由としては、「お世話になった方であり、これからもお付き合いを続けたいので」「毎年贈っていて急にやめてしまうのも失礼」といった声があります。

結婚や出産・還暦祝い等の慶事のギフトと比べて、季節のギフトは昨年贈ったからまた今年もとなりやすい性質があります。また、季節ギフトのなかでもバレンタインやクリスマスと比べてフォーマル度の高いお中元・お歳暮は、止めることに対するハードルが高く感じる人が多そうです。コメントにもある通り、これからもお付き合いよろしくお願いしますという気持ちがお歳暮には込められているのではないでしょうか。

いっぽう、贈らない理由として「年々同じものになりがち」「マンネリ化してしまう」という声もあります。こうしたネガティブな心理をうまくケアし、今年もまた贈ろうという方向に持っていって利用を促すというのも考え方のひとつです。

キーワードサジェスト

2023年版

こちらは、2023年11月16日時点で楽天・ヤフーショッピング・Amazonで「お歳暮」をキーワード入力した際にサジェスト表示された内容です。

「ハム」「ビール」「洗剤」など、特定のジャンルに絞ってお歳暮を探している人は多そうです。ジャンルに加えて店舗名を具体的に指定している例も見られます。

「人気」「ランキング」という語句からは、特にジャンルの指定はないが人気のあるもの・評判のよいものを贈りたいという気持ちが伺えます。

「2023」も目立ちます。商品名に最新の年を表すワードが入っていると、今現在きちんと管理されている商品ページ・活気があって信頼できるお店という印象を受けます。逆に「2022」のような過去のワードが残ったままだと、メンテナンスがしっかり行われていない印象を与えてしまい、店舗の信頼感を損ねてしまうので注意が必要です。

「早割」や「半額セール」というワードがサジェストされると、思わずその項目をタップしたくなる方は多いのではないでしょうか。お得系のキーワードは訴求力や注目度が高いです。

2024年版

昨年に引き続き、2024年11月19日時点で「お歳暮」を入力した際にサジェストされた内容を見ていきましょう。

商品ジャンルに関するものでいうと、「お菓子」「ハム」「ビール」「海鮮」「肉」「カニ」「ワイン」「みかん」といった文言が見られます。お歳暮としてある特定のジャンルの商品(例えばお菓子)を贈りたいという大まかな希望があったうえで、予算にあったもの・喜ばれそうなものを絞り込んでいきたいという検索行動と考えられます。

また、今年もやはり「2024」という年を示すワードが入ってきています。実際にYahooショッピングで「お歳暮 2024」で検索してみると、商品名の冒頭に「お歳暮 2024」のようにキーワードを入れているものが多数ヒットしました。

「早割」というキーワードも見逃せません。11月後半はブラックフライデーのセールが行われることも多く、お客様にとっておトクに買えるのであればこの機会に買いたいという意欲が高まるタイミングといえます。

ネットショップのお歳暮対策

早割対策 2023年版

サジェストを見ても分かるように、早割のニーズは高いです。お客様にとっては同じ品物が割引で手配できればおトクなのは言うまでもありません。店舗としても、早期に注文数を確保することはメリットになります。ぜひ、早割を実施してみてはいかがでしょうか。

早割の実施方法はさまざまな形があります。

・期間限定価格
・期間限定ポイントアップ
・クーポン発行

こちらは楽天で「お歳暮 早割」を検索した際の結果画面です。送料無料やポイントアップよりもクーポンの有無で目立ちやすさに差がついている印象です。ただし、具体的なジャンル(ハム、みかん、カニ等)を絞ることでまた状況が変わってくるケースもあるので、ライバル店の実施状況を踏まえて検討するとよいでしょう。

早割対策 2024年版

「お歳暮 早割」で検索した画面では、やはり昨年同様クーポンを発行中の商品が目立ちます。それに加えて、商品サムネイルに「早割」の文字を入れている例も多くなっています。楽天では画像規約でサムネイルのテキスト要素占有率などのルールがありますが、その範囲内で早割を訴求するのは効果が期待できそうです。

こちらの例ではSPUでポイント3.8倍になっているので、プラスアルファで「+10%ポイントバック」や「+9倍UP」を設定している商品が比較的おトク感があります。スーパーDEALでのポイントバックや商品別または店舗別のポイント倍率設定はぜひ効果的に活用したいところです。

早割対策とは直接関係ありませんが、商品サムネイルに熨斗やラッピング状態を入れている例も目立ちます。お歳暮としてのきちんとした贈答に最適であることをアピールする手法として、参考にしてみてはいかがでしょうか。

人気商品・定番商品 2023年版

こちらは楽天のお歳暮・冬ギフト特集ページです。メインビジュアル(タイトル画像)に続いて「定番ギフトから選ぶ」というメニューがまっさきに表示されています。検索サジェストでも「人気」「人気ランキング」というワードが見られたように、お歳暮は自分で消費するのではなくお世話になった方に贈るものであるという性質上、失敗したくない・確実に喜ばれるものを選びたいというお客様心理があるため、人気商品・定番商品をプッシュすることが効果的です。

店舗内にお歳暮特集ページを設置する場合にも、人気商品・定番商品コーナーを作るとお客様にとって選びやすくなります。また、個別の商品ページ内でも「毎年大好評」「昨年○○個販売の人気商品」といった文言は有効と考えられます。

人気商品・定番商品 2024年版

こちらは楽天とYahooショッピングのお歳暮特集ページです。どちらのページでも、「定番ギフト」「人気の定番」といった項目がメニューの上位に表示されています。また、「定番」の項目では「肉」「スイーツ」「海鮮」といった商品カテゴリ別のサブメニューが並んでいます。

検索サジェストワードでも「お歳暮 お菓子」などの「お歳暮」+カテゴリ名のパターンは多く見られました。商品名のキーワードには、ぜひ商品カテゴリも入れることをおすすめします。

また、「ランキング・評判・こだわり」という項目もあります。楽天では、「楽天ランキング入賞」「レビュー4.0以上」「SNS・メディアで話題」「ショップのおすすめTOP3」「熨斗付きで贈れる」「昨年の売れ筋」といった切り口で紹介しています。これらはお歳暮を購入しようとしているお客様の興味を惹きやすいポイントなので、店舗内のお歳暮特集ページを作る際には参考にしてみてください。

リピート利用を意識 2023年版

お歳暮は、昨年贈った相手には今年も贈るという性質が他のギフトと比べて強いです。その一方、何を贈ればいいか品物選びが毎年の悩みという方も少なくありません。

昔のCMで「ハムの人」というのがあり、毎年ハムを贈ってくれる人として相手の記憶に残っているという様子が描かれていました。毎年同じものを贈るのも悪くない、むしろそのことによって覚えてもらえるというポジティブな発想です。

「あの味がまた食べたいな」「喜ばれる品物を今年もお届け」というような表現で、同じものを繰り返し贈るのもアリですよというメッセージを発してみるのもひとつの方法です。メルマガやLINEなどリピーター向けの媒体で活用してみてください。

リピート利用を意識 2024年版

お歳暮ギフト商品をアピールする文言にはさまざまなものがありますが、狙い目なのが「リピート」「リピーター」というワードです。

検索キーワードとしてこれらの語句を入力するケースは多くないかもしれませんが、何かしらのワードで検索したときに「リピーター続出」「リピーター急増中」「リピート率No1」などという文字が目に入れば興味が湧くのではないでしょうか。商品名などに入れるアピール文言には、ポイント倍率や割引クーポン・TV雑誌等での紹介・ランキング入賞などさまざまなものがありますが、リピート利用に関するものもバリエーションのひとつとして意識してみてもよいかもしれません。

ネットショップのお歳暮対策 傾向と対策とは 2023年 まとめ

お歳暮には依然として根強い需要があり、お世話になっている相手に毎年継続的に贈るという性質が特徴的です。そのため、早割クーポンなどギフト一般に通じるおトクアピールとともに、多くの人に喜ばれている人気商品・定番商品であるという訴求が効果的です。また、毎年の品物選びが大変・どうしてもマンネリ化してしまうという悩みもありがちです。メルマガなどを通じて、リピート利用にポジティブな印象を与えるようなメッセージを発信するのもひとつの方法です。

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tel:050-1746-5247

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