商品登録を行うには、外注と内製の2つの方法があります。どちらにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。それぞれのお店ごとの事情に合わせて、最適な方法を選ぶ必要があります。
今回の記事では、外注・内製それぞれのメリット・デメリット、どちらを選ぶべきか判断するためのポイントを整理してご紹介します。
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商品登録を内製するケース
商品点数が少ない場合や、試しにネットショップを始めてみようという段階であれば、商品登録を外注するのではなく内製=自分たちで行うことが多いのではないでしょうか。
また、一度は商品登録を外注したものの、コスト的に見合わない等の理由で内製に戻すケースもあります。商品登録業者によって段取りのやり方、一方的な手法の押し付け、自社の業務にそぐわないフローなどで、自社の作業依頼の流れと、商品登録業者側の流れがかみ合ってない事しばしば見受けられます。
内製のメリット
商品登録を内製するメリットのひとつは、コスト面です。外注すれば当然金銭的なコストが発生するため、その費用を削減したいと思えば内製化することになります。
また、業務効率化的なメリットが生まれる面もあります。商品登録を外注すると、登録作業中に確認したい点が見つかった場合やイレギュラーな対応が必要になった際、外注先とのあいだでその都度メールや電話でのやり取りが発生します。そのため、ちょっとした問題でも即時対応が難しいこともあります。内製している場合であれば、対面ですぐにコミュニケーションがしやすいためそういった場合にもよりスムーズに進行することができます。また、契約などに時間を取られることもなく、スケジュール的に余裕が生まれます。
商品登録のノウハウが社内に蓄積されるという点も見逃せません。商品登録に必要なデータの整理方法や登録画面の操作方法、エラーが発生した際の対処方法など、実際にやってみないと分からないさまざまな技術・知識を身につけたスタッフが社内にいるというのは、大きな強みとなります。
内製のデメリット
独力でスムーズに商品登録を行えるだけの技量を身につけるまでには、ある程度の時間が必要です。外注すれば最初から一定の品質を保った商品登録が可能ですが、内製する場合は、軌道に乗るまでは時間がかかるわりにあまり成果が上がらないということも考えられます。
また、社内での人材の選定も必要になります。商品登録作業はどのくらいの頻度で発生するのか・作業にはどの程度の時間が必要かという見通しを立てたうえで、商品登録担当者として何名要るか・誰を選ぶかを考えなければならず、選定そのものにもある程度の時間が必要です。
もし、商品登録担当者として育成したスタッフが急に退職となった場合、非常に痛手です。人員の補充が必要になり、引き継ぎ直後には作業クオリティが下がってしまうことも想定されます。そのリスクを考えると、作業内容やノウハウを文書など残る形で残しておきたいですし、そのための時間も確保する必要があります。
商品登録を外注するケース
商品登録点数が非常に多い、社内に人員の余裕がない等、内製では対応しきれない場合には外注することになります。また、運営しているショップの規模拡大に伴い、それまで内製していた商品登録を外注に切り替えるケースもあります。
商品登録外注のメリット
商品登録外注業者は楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・PayPayモール・Wowma!・Qoo10といった主要なショッピングモールやECカートの仕様に精通しており、スピーディーかつ高品質な商品登録作業が可能です。社内スタッフの成長を待つ必要もなく、最初から安定的な結果が得られる点は大きなメリットです。
また、楽天に登録済みのデータを元にYahoo!ショッピングへ商品登録を行うというような、ショップ移転・移行対応のノウハウも持っています。内製の場合、そういった作業の経験値を持っていることは少なく不安を感じることが多いかと思いますが、外注であれば十分実施可能です。ショップの移行等はショップを運営していても何度もある事ではなく特に大量商品を移行や移設を行う場合はやはりそれなりのノウハンが必要です。1万を超えるような商品群がある場合などでは、1つ1つの移行は大した事はないものの1万を超えてくると急に大変な作業になりますし、エクセルやCSVなどでは通常開いたりするだけでも大変な仕事になります。またこれに伴って大量の画像も伴いますので、それなりの技術スタッフがいないと厳しい部分です。
他にも、卸サイトからデータを取得したい、元となるデータが紙のカタログしかない、商品登録用の写真撮影も合わせて行いたい等、さまざまな要望や状況に応じたサービスが揃っています。電子データがある場合でも、例えば、メーカーが用意する現在の電子カタログでは、PDFにてダウンロードできる場合が殆どなのですが、PDFから画像やテキストが取れない場合が殆どで、このあたりもPDFからの変換技術者、大量データの取り扱いに耐えられるスタッフや技術力が求められます。
外注の場合、継続的に依頼していれば常に一定のクオリティが得られる点も内製にはないメリットです。スタッフ個人の熟練度や突発的な休み・退職といったことに左右されず、安定した商品登録が可能です。
外注のデメリット
商品登録を外注する場合、内製の場合にはかからない金銭的なコストがどうしても発生します。費用対効果という観点で考えたとき、コストをかけるだけの意味があるかという検討は必要です。また、業者によって価格設定やサービス内容・作業クオリティは異なり、単に単価が安いというだけでなく自社が求める内容に応じた価値あるものを見極めなければなりません。
また、外注業者はショップで扱う商品そのものについて詳しい知識があるわけではないので、検索ワードの選定や商品名や説明文の表現などに関しては、外注業者に任せるよりも自社内で工夫していくほうが効果的なケースもあります。外注に出す範囲と自分たちで実施する範囲の切り分けが課題となります。
外注していると、社内に実際の作業ノウハウが蓄積されないという点も考慮しておきたいところです。将来的に外注から内製に切り替える可能性があるなら、全てを任せるのではなく一部は社内で実施するという判断もあり得ます。
外注か内製かを判断するポイント
コスト
現実として、商品登録作業にどれだけの予算を割けるか、というのはひとつの外せないポイントです。外注にコストをかけられないのであれば内製せざるを得ませんし、外注するにしてもどこまでやるか、いくらならやるかという点の検討が必要です。
外注価格と作業品質は単純に比例するとはいえず、安いから内容が悪い、高いから安心できるとは限りません。求めるクオリティの対応が可能か、コスト的に妥当かというところを見極めていくことになります。
人材
内製する場合、そのための人材を確保しなければなりません。また、外注する場合であっても、窓口となって発注や確認などを行う担当者は必要です。社内の他の業務とのバランスも考え、適任者がいるかどうか検討しましょう。
コツコツ正確に作業することに向いているタイプか、長期的に商品登録を任せられそうか、積極的に知識・技術を習得してくれそうか等がチェックポイントになります。
商品登録内容によって判断を決める
ネットショップでは、様々な商品を販売されているかと思いますが、特に単調で大量登録に向いている商品については、外注するほうがコストも効率も上がります。型番品番系商品と言われる物は特にこれにあたります、また、カタログや電子カタログからの転記が多い商品についてはバイトや社内で行うと実は費用が過多になっている場合を多く見てきました。
特に、繰り返し作業や単調作業では、担当者によってムラや無駄、そして作業効率が低下する場合が多く、時給作業者には実は向いていません、外注の場合だと単価での依頼が可能なので、時給作業者より確実な費用算出が可能となります。
単発か継続か
商品登録が、単発か?継続か?という点も判断要素のひとつです。
ショップを立ち上げてしまえばその後は商品の入れ替えはほとんどない、というのであれば、一度にまとめて外注するほうが効率的です。ショップのオープン後たまにメンテナンスをする程度であれば、それほどリソースを割かずとも社内で対応できる可能性が高いです。
継続的に商品登録を行っていく場合、その頻度やボリュームもポイントになります。タイミングや作業量が一定でない場合、内製のほうが柔軟に対応しやすいかもしれません。反対に、一定の周期である程度決まった量を登録するようなケースであれば、外注コストも見積もりやすく、依頼しやすいでしょう。
新型コロナウイルスによる外注化が進んでいる訳 ※2020年6月追記
昨今新型コロナウイルスによる外注化を検討されている店舗様が非常に増えており、また毎日のようにお問合せも頂いております。パートさんやバイトさんで作業をこなしている場合の殆どは、学生だったり主婦だったりです、特に20代から40代がメインでそれ以上となるとパソコンが厳しいとなってきます。
その場合、学生がメインであると学年の入れ替わりや急に来なくなるなどの不安定要素、また就職活動などの先取化やインターンなどにより大学生も1年生からうまく使えて2年止まり、長い期間ノウハウを構築した仕事を任せる事ができません。パートさんだと子供の学校などで急な休校や体調を崩したなどでの不安定感は尚否めません。特にコロナ渦において、長期の休校等が起こるとたちまちスタッフ不足に陥って立ち行かなくなる事例も出ています。また、テレワークでのパート・バイトはかなり慣れてないと厳しいし進捗管理が非常に難しい。
そうなると外注化となるのは自然の流れとも思えます。但し、だからといって急激な全外注や人員削減は思わぬ落とし穴がある可能性があるので、店舗さんによって現状の仕事分担や仕事の流れの把握が第一と考え、雇い止めを匂わせるような外注化の急激な進捗は避けた方が良いです。もし外注化を考えていたとしても1つ1つ作業を切り分けて、外注化した時に一番コスト感が出る部分でまずは切り出すのが良いと思います。
商品登録は外注か内製か まとめ
最適な方法はケースバイケースで異なる
残念ながら商品登録を多く実施されているネットショップ店舗さんでは、店舗運営との兼務されている場合が多く、専任で担当つけるほどの規模感があれば良いのですがそうではありません。つまり、商品登録専任ではないので人件費あたりの費用がどの程度かかっているのか不明・・・これが実際の所です。現状の作業量や実際のコストを算出して外注ポイントを探るのが良いかと思います。
商品登録を外注するか、内製するかというのはケースバイケースで異なります。予算や人員、スケジュールなどさまざまな要素を勘案し、最適な落とし所を見つけましょう。これまですべて内製で行ってきた場合は、商品登録を外注することによってよりコアな業務に人員をシフトさせることも可能になるため、ぜひ一度検討してみてください。
商品登録外注時 おまけ
企業活動においてどのように利益を出していくのかが必然的に絶対条件となる当たり前の事ですが、どうしても担当者レベルに落ちてきたときに、現状の流れやルールを崩してまで外注にしたくない・・という残念なブレーキがかかる事は事実です。なので現場の反発にあって外注できないととどまる経営者も多い。
ただ現場の言う事も一理は必ずあります、焦って現チーム体制を崩して強行したりせずに、1つ1つ現場と検証を重ねて、運営効率を上げてどのように売上上昇曲線に持っていくかのポイントを探るが良いかと思います。
現状で商品登録代行するか迷っている場合は、お気軽にご相談ください。解決案があるかもしれません。