私達の生活にすっかり定着しているAmazon。ネットショッピングはAmazonをメインに利用しているという方も多いのではないでしょうか。
ネットショップを出店する側にとっても、Amazon(アマゾン)は魅力的な出店先のひとつです。今回は、Amazonへの出店のメリット・デメリットを最新の状況に基づいて整理してみました。
最新版投稿はこちら:Amazon出店 メリット・デメリット 2023年版
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Amazonの特徴
Amazonは、Google・Apple・Microsoft・Meta(Facebook)と並ぶアメリカの情報技術産業ビッグファイブのひとつです。
日本では、「IT革命」という言葉が流行語になった2000年にオンライン書店としてスタートし、翌2001年には出店型の販売形式「Amazonマーケットプレイス」がスタートしました。楽天市場・Yahoo!ショッピングと並んで、出店先としても早い段階から主要な存在だったといえます。
マケプレ開始から20年以上が経った現在でも、Amazonが日本国内でECを行う人にとって主要な出店先のひとつであることは変わりありません。
2021年のニールセンの調査によると、楽天が幅広い世代の女性から支持されているのに対し、Amazonは比較的若い世代の男性でリーチが高い傾向があるようです。
Amazonへの出店メリット
集客力が高い
Amazonへ出店する最大のメリットは集客力の高さです。2020年には全世界でAmazonプライムの会員数が2億人を突破しており、送料無料・当日配送・プライムビデオ見放題などのAmazonプライムサービスを日頃から享受している会員にとって、ネットで何か買うならAmazonでという行動パターンは非常に根強いものがあります。
ニールセンの調査によると、2021年12月のトータルデジタル視聴者数でAmaznは楽天について2位となっています。
ページの作り込みが不要
楽天市場やYahoo!ショッピングにはないAmazonならではの出店メリットとして、商品ページの作り込みが不要である点が挙げられます。
多数の店舗が集まる「モール」の形態となっている楽天やヤフーと異なり、Amazonの場合は原則として1商品1ページとなり、複数の出品者がページを共有して販売する形となります。
そのため、すでにAmazonで販売されている商品であれば、「販売価格」「在庫数」「コンディション(新品/中古)」といった最低限の情報を入力するだけで非常に簡単に出品できます。
独自で作った新規商品ページなら、独自バナー・テキストを設置する事もできる。
Amazon「A+」という追加ページ(商品説明の下に表示する事ができる)を作ることができます。但し、一定テンプレートが決まっていることや、画像・テキストを追加する事ができます。メイン画像では7枚しか入らない、箇条書きや商品説明文では入り切らない部分をフォローする事ができます。「A+」を利用して差別化を図る事もでます。拘りの商品が店舗さんや特徴のある商品はこの「Aプラス」を利用しない手はありません。
このテンプレは残念がらCSVや一括で上げる機能がないので、1つ1つ作成する必要性があるので作成時は計画的な商品登録が必要となります。
コスト的に挑戦しやすい
Amazonの出品プランは「小口出品」と「大口出品」の2つがあり、毎月49店までの商品を販売する小口出品なら料金は1商品あたり100円+販売手数料、大口出品でも月額4,900円+販売手数料となっています。
楽天の最も安い出店プランが月額19,500円の年間一括払いとなっているのに比べると、初めての方でも気軽に挑戦しやすい料金設定といえます。
FBAが利用できる
FBA(Fulfillment by Amazon)は、商品をAmazonの施設(フルフィルメントセンター)で保管し、受注後のピッキング・梱包・発送・カスタマーサービスを代行するサービスです。
在庫保管手数料・配送代行手数料・購入者返品手数料などのコストが利用状況に応じてかかりますが、出品後に商品をAmazonに納品するだけであとの流れをおまかせできるのは大きなメリットです。業務負担の軽減に加え、Amazonプライム対象商品となる(プライム会員送料無料)・発送元がAmazonになる(お客様からみた信頼感)」・Amazon内検索で上位表示されるといった点も見逃せません。
Amazonへの出店デメリット
価格競争になりやすい
メリットとして商品ページの作り込みが不要であることを挙げましたが、その反面、同じ商品を出品するライバル店との競争は純粋に価格勝負となります。
楽天などのモールであれば、多少値段が高くても商品ページの説明が充実している方で買う・ページがキレイで印象の良いほうで買うというように、最安値よりも安心感を優先する行動パターンも見られますが、Amazonの場合は「カートに入れる」または「今すぐ購入」を押した場合基本的に最安値の出品者から購入する形となり、わざわざ他の出品者を検討するケースはあまりありません。
さらに、Amazon自らが出品しているケースもあり、その場合Amazonに太刀打ちするのは非常に厳しいのが実情です。
1円の差で数分ごとに1位が入れ替わるような厳しい競争になりやすく、消耗戦に陥りがちである点は十分注意が必要です。
店舗の独自性を打ち出すのが難しい
モール型ではないAmazonの特性上、「店舗トップページ」「店舗メルマガ」といったものはなく、他のモールで実践されているリピーター獲得のノウハウは通用しません。
これまで楽天やヤフーでお店のファンを獲得しリピーター収益を上げている店舗であっても、Amazonでは必ずしも同じようにはいかないのが実情です。
また、商品サムネイル画像のルールも非常に厳格で、白抜き必須・文字入れや合成NG・カラバリ等の表示NGなどとなっており、検索結果一覧で目立たせるための工夫をする余地はないと言ってよいでしょう。
新規出品の場合登録が難しい
すでにAmazonで販売中の商品への相乗り出品は非常に簡単ですが、まだAmazonに掲載されていない商品を新しく登録するのは若干難易度が上がります。
特に「商品名」はルールが厳しく、楽天市場やヤフーショッピングでの登録内容そのままではAmazonへ移植できないケースが多いです。「%OFF」「特別価格」「送料無料」「大人気」などの語句はNGとなっているほか、商品名と無関係の「★」などの記号も不可です。
また、JANコード(EANコード)のない商品の場合は「製品コード免除申請」の手続きが必要です。セラーセントラルに掲載されている申請フォームから商品画像等をアップロードし、メールで出品可能の連絡を受けてからの出品となります。
Amazon 出店 メリット デメリット 2022年6月版 まとめ
Amazonは楽天と並んで日本国内の主要な出店先のひとつです。出店コストが低いため挑戦しやすく、すでにAmazonで販売中の商品であれば出品は非常に簡単です。そのいっぽう、価格競争に陥りやすく、Amazon自身をもライバルとして戦っていかなければならない厳しい側面もあります。ほかのモールで培ったノウハウが通用しない独特な面のあるAmazonですが、仕入れ力・マーケティング力のあるお店にとっては大きな売上を作れる可能性を秘めている出店先でもあります。
補足:
楽天やヤフーショッピングとは異質のマーケットプライスになります。基本的にはアマゾンのカタログに登録をさせてもらうという考え方となります。自分の商品ページは存在しません。Amazon商品登録とは、Amazonのカタログへの登録となり、登録されたあとAsinと言われるコードが振られます。特に近年ブランド登録による、ブランド規制が激しく行われ(5665、5461エラー等)、商標登録されているブランド名が入る事で、エラーが頻発しAmazon商品登録が難しいと言われる所以にもなっています。