日本国内のネットショップ運営で一定の成果を上げた店舗を中心に、越境ECに挑戦するケースが増えています。かつては海外展開というと言語や通貨などさまざまなハードルがありましたが、越境ECに対応したモールに出店する形であればそうした問題は比較的簡単にクリアできます。なかでも、東南アジアにおける越境ECで存在感があるのがshopee(ショッピー)です。
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越境ECへ取り組む店舗が増加中
これまで当ブログでもShopify等の越境ECサービスをいくつかご紹介してきました。日本の人口が減少局面を迎えたといわれる現在、新たな市場として海外に目を向ける方は少なくありません。
2010年代、スマホの普及とともに日本のB to C EC市場は右肩上がりの成長を続けました。物販系の分野に関してはコロナ禍の影響もあって2020年に大きな成長がありましたが、今後の伸びについてはなかなか予想しづらいのが実情です。国内市場だけにとどまらず海外にさらなる飛躍の場を求めるのはひとつの合理的な戦略といえます。
注目度が高まる東南アジア
これまで日本から海外への越境ECというと中国とアメリカが中心的でしたが、今注目度が高まっているのが東南アジアです。2021年以降、実質GDPの成長が前年比4%を超える国も多く、購買力は年々高まっています。また、インフレ率が上昇傾向にあるため、日本から販売する際にも高めの価格設定がしやすくなっています。インターネットの普及がやや遅れていた反面ここに来て急速に進み、EC市場に勢いがある地域といえます。
Shopee(ショッピー)とは
東南アジアへの越境ECを検討する際、第一候補となるのがShopee(ショッピー)です。東南アジア・台湾で最大規模のECプラットフォームであり、年数回の大型セールやライブ配信、ゲーミフィケーション等さまざまな施策で多くのユーザーを取り込んでいます。
現在は東南アジアや台湾のほかブラジル・メキシコを含む11地域でマーケットプレイスを展開し、現在日本からはシンガポール・台湾・タイ・マレーシア・フィリピンの5つのマーケットに販売可能です。
Shopee(ショッピー)を利用するメリット
越境ECに手軽に取り組める
Shopeeでは、日本から東南アジア・台湾への越境ECに手軽に取り組める体制が整っています。日本語のWebサイトからアカウント申請を行い、すぐに販売を始めることができます。Shopeeの公式サイトにはセラー事例が豊富に紹介されていますし、「越境ECで売れた人気商品と検索ワード」「越境ECでのトラブル事例と解決策」等、参考になるお役立ち情報が発信されています。
モール型で集客力が高い
越境ECを始めるには自社サイトを開設する方法もありますが、集客が最初の大きな壁となります。現地のSNSで多くのフォロワーを集めている等よほどのアドバンテージがない限り、成果を上げるのは難しいのが実情です。
Shopeeは楽天などと同じモール型であるため、高い集客力を活かすことができます。Shopeeアプリは総ダウンロード数1億を超えており、東南アジア5カ国で売上規模ナンバーワンとなっています。SNSを通じた認知獲得ほか、世界的に有名なスポーツ選手をテレビCMに起用する等マスメディアを通じて幅広い層にリーチしています。
現地のホリデーシーズン等を考慮してセール・イベントが組まれるため、お客様の購入意欲が高まっているタイミングを逃さずにアプローチできるのもポイントです。
コストが安い
初期費用・月額使用料が無料で初めてでも挑戦しやすいことに加えて、販売手数料が低い水準に抑えられている点も重要です。
ECモールのなかには、初期費用がかからず参入はしやすいものの、販売手数料が割高で売上規模が大きくなるほどコストが嵩んでしまうケースがありますが、Shopeeではそのような心配はありません。
管理画面・サポートサイトが充実している
Shopeeセラーセンターと呼ばれる管理画面は日本語表示になっていて、日本国内の楽天などの管理画面と同様の感覚で使うことができます。
出品、購入された商品のステータス表示、出荷設定、返品・キャンセルの対応などが行えるほか、アクセス解析などのデータをチェックするこも可能です。
Seller Education Hubという出店者向けの運営情報サイトも用意されており、Shopee Japanによって日本語で分かりやすく情報が発信されています。Shopeeならではのノウハウや各マーケットの情報等がビデオ形式を交えて紹介されていて、初心者から上級者まで自分に合った情報を得ることができます。
Shopee(ショッピー)を利用する際の注意点
電話によるサポートは受けられない
Shopeeは日本語のヘルプページやチャットによるサポートが用意されていますが、電話での対応は行っていない点には注意が必要です。
ヘルプページ等は読みやすく分かりやすい内容になっており、海外発のサービスだから国内のものと比べて使いにくいという印象はありませんが、分からないこと・困ったことはすぐサポートに電話して聞きたいという人には不向きかもしれません。
お客様対応は基本的に英語
商品を購入されるお客様への対応は、基本的に英語(台湾は繁体字中国語)で行う形になります。
タイなど英語を公用語としないマーケットでは自動翻訳機能が搭載されていてほとんどの場合はこれで事足りるようですが、英語に苦手意識の強い方はこの点が最大のネックとなりそうです。
アカウント申請後5商品の出品が必要
アカウント作成は無料で行えますが、申請から30日以内に5商品以上を出品するルールになっています。とりあえず試しにアカウントだけ作ってみようということではなく、どんな商品を出品するかある程度具体的な見通しを持って始める必要があります。
すでに国内ECで経験のある方であれば5商品を用意するのは難しくないと思いますが、ネットショップ出店自体が初めての場合はある程度の下準備が必要になりそうです。
ショッピー(shopee) 東南アジア最大級の 越境ECモール とは まとめ
日本国内から海外市場へと目を向け越境ECに取り組む人が増えるなか、東南アジア最大級のECモールShopeeに注目が集まっています。東南アジアは経済成長とEC普及の勢いがある市場であり、その東南アジアで高いシェアを誇るShopeeには大きなチャンスがあります。コスト面も抑えられており、管理画面やヘルプ・サポートはすべて日本語になっているため、すでに国内でEC経験のある方であれば非常に挑戦しやすくなっています。ユーザーへの対応は英語(台湾では繁体字中国語)で行う必要がある点には注意が必要ですが、東南アジアへの越境ECに興味がある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。